「新型コロナウイルス 故意の拡散は死刑」中国高裁が通知、検査拒否は懲役7年も

インドネシア

消毒スプレーをかけられる武漢からの帰国者たち。2月2日、インドネシアの空港。

REUTERS

新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受け、中国東北部に位置する黒竜江省の高級人民法院(高等裁判所に相当、以下高院)は、故意のウイルス拡散に対して最高刑死刑の厳罰に処す方針を表明した。

黒竜江省はロシアに国境を接し、2月4日夕方までに155人の感染者、2人の死者が出ている。同省高院は1月31日付で、「新型肺炎抑止を妨げる犯罪を厳しく取り締まるための緊急通知」を発表。新型肺炎に関するさまざまな行為がどのような犯罪に該当するかを詳細に整理し、違法行為を厳罰に処す態度を示した。

通知によると、故意に新型コロナウイルスを拡散した者は「危険な方法で公共安全に危害を加えた罪(刑法114条、第115条1項)」が適用され、最高刑は死刑。また、検疫や強制隔離を拒否しウイルスをばらまいた場合は、「過失によって危険な方法で公共の安全に危害を加えた罪(警報115条第2項)」に該当し、最高で懲役7年の刑罰が科されるとした。

他にも、新型肺炎絡みで勝手に検問を行ったり、交通を遮断する行為は刑法117条、119条の「交通施設破壊罪」「交通器具破壊罪」に抵触し、最高刑は死刑だという。

通知はその他に、新型肺炎のデマを流す行為が、国家の分裂や転覆を図る「国家分裂扇動罪」「国家・政権転覆扇動罪」(最高で懲役15年)に該当することなどを説明し、「市場の秩序をかく乱する」「粗悪品や偽物を生産・販売する」など新型肺炎関連の犯罪を9分類して列挙した。

中国

中国では武漢帰りの人々に対する差別や排除も起きている。

REUTERS/Thomas Peter

中国・武漢で発生した新型肺炎は感染者が世界に拡大。2月4日に感染者が2万人、死者は400人を超えた。日本でも20人の感染が確認されている。

2月3日には、1月31日に四川省で新型肺炎感染を確認された69歳男性が、その2週間前に武漢に入っていたことを隠してさまざまな活動に参加し、100人以上と濃厚接触した。さらには咳などの症状が出て病院を受診した後も、武漢との関わりを否定。病院関係者30人以上が濃厚接触者として隔離される事態を招き、男性は刑事処分される見通しとなっている。

(文・浦上早苗)

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