今更ですが、先月(2012年7月)の13日は金曜日だったんですね~。
 
そのときに記事にすればよかったのですが、何かと忙しくて…。
 


 
と言う訳で13日の金曜日ですが、私なんかは、ああそうか程度の感覚しか持っていませんが、キリスト教圏
 
では、やはりかなりの人が信じているようです。
 
 
ホテルやマンション、病院には13階や13号室がなかったり、パーティーの参加者が13人になると慌ててもう一人
 
誘ったり、13日の金曜日には結婚式式場は当然の如く閑古鳥、新居の着工お引越し13日の金曜日に行う人もま
 
ずいない、企業でも13日の金曜日に大事なプロジェクトを開始する事は殆どなく、株の売買を控える人も多く、
 
船は出航を控え、飛行機の乗客が減り、有給をとるビジネスマンが増え、アメリカでは1日約8~9億ドルの経済
 
損失が出る…。といった具合に「13」や「13日の金曜日」は忌み嫌われているようです。
 
13日の金曜日には自分にも何か不幸事が起こるのではないかと心配する余りに本当に体調を崩す、いわゆる
 
「13日の金曜日シンドローム」なる病気もある程だそうで。
 
 
この調子でいくと、宇宙戦艦ヤマト初代艦長は欧米では友達が出来ず、大阪の十三に住むキリスト教徒は一人
 
もいなくなりそうな勢いです。
 

 
で、何で13日の金曜日がそんなにも不吉なのかと、その起源と言うか由来を調べてみました。
 
私が何となく知っていたのは「キリストが磔にされたのが13日の金曜日だったから」、と言うハナシだったの
 
ですが、どうやらそれは眉唾らしい。キリスト教では「受難日は金曜日」とはするものの、聖書にはキリスト磔刑
 
の日を特定する記述はないそうです。
 
 
「キリストを売ったユダが13番目の弟子であり、キリストが死んだのが金曜日だったから…」と言う説も
 
あるようですが、聖書ではユダは「12人の弟子の一人」とされているそうで、これも眉唾。
 
 
「イブがアダムを誘惑したのも、ノアの大洪水が起こったのも、バベルの塔が破壊されたのも、アベル
 
がカインに殺されたのも13日の金曜日だから…」とも言われてるらしいですが、どれもこれも聖書にそんな
 
記述はないとの事で、むしろ後付けの感があります。
 

 
では何で13日の金曜日が不吉なのか???
 
 
そもそも、「13」と「金曜日」はそろぞれ別々に忌避されていたようです。
 
「13」が忌み数になった理由も諸説ありますが、古代では暦を作る関係で60進法が採られており、60の約数の一
 
つである12がよく用いられ、調和を象徴する数字とされたと。12に対して、一つ多い13はその調和を乱す数字とし
 
て不吉視された…と言うのが一番もっともらしい。
 
 
「金曜日」の方も諸説ありですが、Fridayは北欧神話の神フリッガ(結婚と豊穣の女神)とフレイヤ(性と受精の
 
女神)の名に由来しており、キリスト教以前のゲルマン民族にとっては幸運の日であったとか。しかし、それを嫌
 
ったキリスト教会はあえて金曜日を不吉な曜日とした…と言うのが、いかにもありそうな話です。
 
 
そして、面白いのが、「13」と「金曜日」をドッキングさせたのは、1907年に刊行された「13日の金曜日」(著者:トー
 
マス・W・ローソン)と言う小説である!!と言う説。
 
この小説は株取引のダークサイドを描いたもので、当時大変良く売れたそうです。その中では「13日の金曜日は
 
不吉な日」とされていたそうで、それが当時のマスメディアにウケて喧伝されたのが、「13日の金曜日」の始まり
 
だったと。
 
これが事実なら、「13日の金曜日」は、ほんの100年かそこら前に作られたと言う事になります。意外に歴
 
史が浅かったんですね~。
 

 
冒頭ではキリスト教圏ひとくくりにしましたが、13日の金曜日を忌み日にしているのは英語圏とフランス・ドイツに
 
限られるようです。スペイン語圏では13日の火曜日が、イタリアでは17日の金曜日がそうであるとの事です。
 
ちなみに、フランスなんかでは、マイナス同士をかけるとプラスになるとばかりに、13日の金曜日は宝くじの売り
 
上げが急増するそうです。俗信なんてそんなもん、と思わせてくれるエピソードではありますね。
 
 
そんなこんなで、13日の金曜日。次にくるのは2013年の9月と、1年以上先の話ですが、一応仏教徒の私にはあ
 
まり関係ありません。13って仏教では吉数だし。
 

 
 イメージ 1(↓)13日の金曜日といえば、やはりコレ!!